鵜飼いは、鵜を使って魚を取る伝統的な漁法のひとつです。鵜には、川鵜と海鵜がありますが、川鵜より大柄な海鵜が使われることが多く、通常、野生の海鵜を捕らえ、訓練して使います。鵜の寿命は普通4−5年ですが、鵜飼いに使われる鵜は、手厚い世話を受けるので15年から20年生きるそうです。

 鵜を使っての漁法は中国やインドでもありますが、日本の鵜飼いについては、7世紀の史書「随書」や「万葉集」にその記述が見られます。鵜によって捕えた鮎などの季節の魚を朝廷や領主に献上したことから、その庇護を受けるようになりました。独特の漁法を見るのも楽しく、またその場でとれたての魚を賞味することもできたので好まれたのでしょう。信長は、鵜匠を鷹匠に準じて禄を与えて保護し、徳川幕府もまたこれを保護しました。現在、長良川の鵜匠は、宮内庁式部職鵜匠という肩書きを持ち、取れた鮎は天皇に献上されています。一方、三次の鵜飼いは尼子の落ち武者から始まったとされ、浅野藩の保護を受けて鵜匠制度が確立されました。鵜匠は世襲が基本で、その技術は代々親から子へ伝えられてきました。
 現在、全国十数か所で観光鵜飼いが行われています。夜の川面を照らすかがり火の中、古来からの衣装、風折烏帽子を身に着けた鵜匠が巧みに鵜を操る姿には幽玄の趣が感じられることでしょう。広島近辺では、三次のほか岩国でも行われています。
                                   

   参考文献  
広島県大百科事典  中国新聞社
日本百科大事典   小学館
愛知日本語研究センターホームページ

広島県文化百選A祭り・行事編 中国新聞社

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鵜飼い
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