日本には2種類の汁物があります。1つは味噌汁(味噌味の汁)、もう1つは澄まし汁(醤油味の汁)です。朝食に味噌汁、夕食に澄まし汁を出す日本食レストランが多くあります。
味噌汁 澄まし汁
味噌汁とは何か?
味噌汁とは、みそで味つけられた濃い色の汁物です。日本の家庭料理の基本であると考えられています。味噌汁は、野菜、大豆製品、魚介類などをたっぷりの鰹だし汁で煮て、味噌を溶かし入れて作ります。人気がある味噌汁の具は、ねぎ、豆腐、わかめなどです。
味噌汁の歴史
飛鳥時代(6世紀末から7世紀)、味噌は中国から日本に伝わりました。その当時の人々は、味噌を水に溶かすことができなかったため、そのまま食べていました。
鎌倉時代(12世紀末から14世紀中期)になると、武家社会で、一汁一菜という食事の基本スタイルが確立しました。その当時、武士は味噌汁を毎食飲んでいました。
室町時代の終わりから戦国時代 (16世紀) にかけて、戦乱の時期には、兵士は戦場で味噌汁を飲んでいました。味噌で煮込んだサトイモの茎を、兵士は戦場で紐として使い、食料が尽きてしまうと、それを刻んでお椀に入れ、お湯を注いで食べていました。つまり、これがインスタント味噌汁の元祖なのです。
江戸時代(17世紀から19世紀中期)には、武士だけなく庶民も味噌汁を飲むようになりました。それ以来、味噌汁は日本の家庭料理の定番になっています。
味噌汁の健康効果
● コレステロールを下げる
味噌の主原料は大豆で、大豆に含まれるサポニンが血清コレステロール 値を下げ、脳梗塞、心筋梗塞、血栓症を防ぐ働きがあると報告されてい ます。
● がん予防
味噌汁をよく飲む人はめったに飲まない人と比較して、胃がんの死亡率 が低いと報告されています。また、大豆製品を多く摂る女性は、ほとん ど摂らない女性と比較して、乳がんの発生率が低いという報告もあります。 ● 老化予防
味噌には体内の脂質の酸化を防ぐ効果があると言われています。体内が 酸化し、活性酸素が増えると、人体の血管や細胞の老化が促進されます。 ● 骨粗しょう症予防
骨粗しょう症予防には、カルシウムを多く摂る必要があります。カルシウムを多く含む味噌と魚のだし汁が入っているので、味噌汁はカルシウム補給にぴったりです。
参考文献 英語で紹介する日本事典 (ナツメ社)
参考ウエブサイト All About 食と健康 みそ汁がじわじわブームに?日本文化いろは事典 味噌汁
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